目指すは地元に根付いた「酪農ガール」―。授業や実習などで熱心に酪農を学んでいる野村高校(愛媛県西予市野村町阿下)畜産科3年三好智美さん(18)=同市野村町松渓=が、大阪府で10月にあった「日本学校農業クラブ全国大会」意見発表会の分野1類(生産・流通・経営)で、最高賞の最優秀賞と農林水産大臣賞に輝いた。酪農経営を目指す三好さんは「驚きとうれしさでいっぱい」と喜びをかみしめている。
 県学校農業クラブ連盟によると、県勢が意見発表会で全国一になるのは、9年前の野村高以来。
 意見発表会は10月26日にあり、1類には予選を勝ち抜いた9人が出場。県と四国の両大会を突破した三好さんは「めざせ 酪農ガール!」の題目で、魅了されている酪農への思いを熱く披露した。
 三好さんは、実家は酪農家でなく、牛に興味もなかったものの、1年時に出場した家畜審査競技県大会で入賞を逃した悔しさから「もっと勉強したいと思うようになった」と酪農経営に関心を抱いたきっかけを説明。共進会や勉強会に参加し、志願して休日に地元酪農家で実習を続けていることなどを紹介した。
 後継者不足で廃業が続く市内の厳しい現状や自身が描く経営規模にも触れ、将来は従業員を経て農家から経営を引き継ぎ「酪農戸数の減少にストップをかける一人になりたい」と決意表明。「酪農の魅力は、農家や地域とのつながりの中で学び、成長できる無限の可能性を秘めていること。魅力を次世代につなげるよう、地域と牛とともに成長を続けていく」と結んだ。
 7日に野村高で発表と表彰があり、三好さんは堂々と表現力豊かに熱弁を振るった。生徒や教職員らから大きな拍手が送られ、指導した薦田大作教諭(36)は「(三好さんは)何でも積極的に、手を抜かずに頑張る。自信をもって発表できた」と評価した。
 酪農を学ぶため北海道の大学への進学を希望している三好さんは「女性の酪農経営者はあまりいない。自分が成功することで女性や次世代の人にもやれるという姿を見せて、地域の盛り上がりにもつなげられれば」と瞳を輝かせた。